Marketing Analysis Contest

マーケティング分析コンテスト

2009

審査結果・レポート公開中

実施レポート

マーケティング分析コンテスト2009 詳報

さまざまな視点から生活者の購買要因を掘り下げてデータを分析し、斬新なビジネスの法則や新しいマーケティング指標等の発見を競う「マーケティング分析コンテスト2009」の最終審査会が2009年12月14日、野村総合研究所本社にて開催された。

3回目となった今回は学生を中心とした展開にしたためか応募数が減少したが、シングルソースデータの特徴を活かした分析が多く見受けられた。

今年も学生の論文や大学の授業に利用していただくことも考え、4月にエントリー受付を開始。学生を中心に66組がエントリーし、最終的に8作品のレポートが集まった。11月中旬から6人の審査員による予備審査が行われ、事前投票が実施された。

最終審査では、各作品について分析ロジックや視点のユニークさ実ビジネスへの活用面など幅広い側面から議論を進め、理解を深めた。その後、最優秀賞から順に投票をおこない、各賞を決定した。

最優秀賞には、慶應義塾大学大学院商学研究科 博士課程の森岡 耕作氏による「精緻化見込みモデルの精緻化」が選出された。精緻化見込みモデルが抱えている問題について、シングルソースという膨大な実データを利用し、粘り強く取り組むことにより検証している。動機と能力に着目し、情報処理ルートをわけるという着眼点も新鮮であり、実務的にも示唆があることが評価された。

優秀賞には、福岡大学商学部 講師の太宰潮氏の「メディアミックスにおけるPower Law : 三部作完結編~そして積極的消費者へ~」が選出された。本作品は3年に渡る研究の成果であり、その完成度に票が集まった。

佳作には、東京工業大学 工学部経営システム工学科4年の吉野祐輝氏の「「ペイパブ・記事広告?」雑誌広告が与える影響力とは」が選出された。当てはまりに難があるものの今注目されているペイパブに焦点を当てていることに評価が集まった。なお、学部生が受賞したのは過去3年で初である。

審査を終え、審査委員長の阿部教授からは「今回は応募作品が少なかったため、競争が少なかったように思える。シングルソースデータの特徴を活かそうとする分析は多かったが、バリエーションを増やすためにももう少し応募数を増やす必要がある」と、来年への課題とともに総括した。

「マーケティング分析コンテスト2009」各賞受賞作品(敬称略)

Grand Prize

最優秀賞

  • 「精緻化見込みモデルの精緻化」

    慶應義塾大学 大学院商学研究科 博士課程3年 森岡 耕作

審査員コメント

論文として整っており、手際が良く洗練されている。膨大なシングルソースデータと格闘した部分が評価できる(桑原)

中心的ルートと周辺的ルートに分けて、動機と能力に着目して評価しているのは面白い。シングルソースデータならではという点も評価できる。実務的にも示唆があるのではないか。(清水)

受賞者のコメント

この度は身に余る賞を頂き、誠に有難うございました。これまでの研究とは異なって、頂いたデータから既存理論と結びつけつつ新たな知見を見出すという今回の経験を活かして、今後も研究に精進いたしたいと存じます。

First Prize

優秀賞

  • 「メディアミックスにおけるPower Law : 三部作完結編~そして積極的消費者へ~」

    福岡大学 商学部 講師 太宰 潮

審査員コメント

パレートの法則に従っているというのが面白い。単純だが面白い発見がある。後半の分析との関係が不明確な部分があるが。相対的には、明確で斬新だと思われる(西尾)

雑誌の有効性を繰り返し評価しており、視点がぶれていない点が評価できる。雑誌の特徴である能動的に選択するという点をよく抽出している。(守口)

受賞者のコメント

選出頂き、光栄に存じます。3年続いたテーマの完結編で優秀賞を頂けて本当に嬉しいです。
ツッコミどころも満載ですが、その分、今後も追い続ける研究テーマを得ることができました。有難うございました。

Second Prize

佳作

  • 「「ペイパブ・記事広告?」 雑誌広告が与える影響力とは」

    東京工業大学 工学部 経営システム工学科4年 吉野 祐輝

審査員コメント

シングルソースを活用している点が評価できる。フィットは悪いが、実用性という点からいえば可能性を感じる。積み重ねていくべき改善の一つを見つけたという点でも評価できる。(阿部)

問題意識としてペイパブに着目した点が評価できる。モデルの当てはまりが悪いが、もう少し煮詰めてもらえれば良いものになると思う(塩崎)

受賞者のコメント

この様な素晴らしい賞にご選出頂き、身に余る光栄と感じております。結果が思うように出ず、試行錯誤の連続で、本当に本当に苦しかったですが、今となっては貴重な経験だったと実感します。ありがとうございました。