Marketing Analysis Contest

マーケティング分析コンテスト

2012

審査結果・レポート公開中

実施レポート

マーケティング分析コンテスト2012 詳報

さまざまな視点から生活者の購買要因を掘り下げてデータを分析し、斬新なビジネスの法則や新しいマーケティング指標等の発見を競う「マーケティング分析コンテスト2012」の最終審査会が2012年12月17日、野村総合研究所本社にて開催された。6度目の開催となった今回は、レポートの提出数が過去最高となり、長時間にわたり、非常に白熱した審査会となった。

第6回目を迎えた今回、例年どおりニュースリリースを中心とするプロモーションのみとなったが、仮エントリー、本申し込み、レポート提出数(応募数)ともに昨年を上回った。中でもレポート提出は40作品で過去最大となり、事務局や審査員からも嬉しい悲鳴がきかれた。今回よりレポート提出は郵送ではなくメール等による提出としたため、応募ハードルが下がった影響とともに、締め切りぎりぎりまでデータと格闘されたことが推測された。

また、今回の特徴としては、マーケティングを専攻とする商学系や経営系の学部、研究科だけではなく、工学系や文学系の方々からの参加も増加したことがあげられる。幅広い方面からチャレンジいただいた結果、バラエティに富んだ研究成果となり、読んでいて大変楽しいコンテストとなったといえよう。

さて、今回も例年どおり11月中旬から6人の審査員による予備審査が行われ、21組の作品が最終審査に進んだが、審査員も「敢えていくつかの視点を持って作品群を選定した。最終審査会で皆の意見を聞いてみたい」という声が審査前からあがった。

最終審査会では1作品ずつ丁寧に議論がなされ、インプリケーションの優れたもの、分析プロセスの優れたもの、視点や仮説設定の優れたもの、論文として構成が優れたものなど、多面的な評価が行われた。すべての方が推奨した作品があったわけではないため、それぞれの審査員の意見が出ると「なるほど、そういう評価か」と熱心に再検討いただく機会となった。

その後、最終投票がおこなわれた。上位2作品はいずれも甲乙つけがたい作品であったが、僅差で確定し、佳作には少し側面を変えて評価をした作品を選出した。

最優秀賞には、静岡大学大学院 情報学研究科1年の原野 朱加氏による「炭酸飲料市場へのブランド新規参入における消費者分析とその活用」が選出された。原野氏は昨年最終審査に進んだものの受賞とはならず、今年はそのリベンジを果たした形となった。分析手法として特殊なことをしているわけではないが、視点、原因発見の流れ、仮説構築、レポートのつくり方など非常にバランスよく作られている。SNSデータの利用方法も的確であり、結果の興味深さだけでなく実務的なインプリケーションも含まれているなどの点から、すべての審査員から高い評価が与えられた。

優秀賞には、筑波大学システム情報工学研究科 社会システム工学専攻博士前期課程1年の中野 暁氏による「購買行動の変容段階を考慮した 消費者情報処理モデルの構築: ~認知的消費者と感情的消費者~」が選出された。分析としては、大変高度な手法を用いており、学術的貢献としては最も評価が高い。独自の視点もあり、レポートも分かりやすく最後まで最優秀賞を争った。本コンテストの評価ポイントのひとつである“実務面への活用”という点で少し疑問がでたが、研究論文としては最も優れた作品であろう。

佳作には、青山学院大学 社会情報学部4年の田中咲季氏による「女性の消費行動要因を探る」が選ばれた。最新の分析手法ではないものの、丹念にデータを回しており、記述統計としては非常に優れている。メディア利用への着眼点がなかったり、実務への利用や知見の部分でもう一歩踏み込んで欲しい部分はあるが、視点や結果という意味では面白い作品であった。

審査会終了後、各審査員からは「今年は作品数が多く審査には苦労したが、バラエティに富み、読んでいて飽きなかった」との声があがった。「レベルがあがっていることはいうまでもないが、同じシングルソースデータでも料理の仕方でこれだけ示唆に富んだ研究ができることは非常に興味深い。今後益々広くの方に参加していただくことで、これまで気づかなかったマーケティングの可能性が発見できるのではないか。」ということで、総括した。

「マーケティング分析コンテスト2012」各賞受賞作品(敬称略)

Grand Prize

最優秀賞

  • 「炭酸飲料市場へのブランド新規参入における消費者分析とその活用」

    静岡大学大学院 情報学研究科1年 原野 朱加

審査員コメント

オランジーナへの着目、視点がよい。仮説の作り方もよくデータ活かし方とのバランスも良い。SNSデータも利用など幅広い分析をしており、実務的インプリケーションにも富んでいる(桑原)

オランジーナのヒット要因を全体のメディア接触ではなく、セグメント別に分析したことが評価できる。また、示唆を出すためにSNSを深掘りしたことも良い。(塩崎)

受賞者のコメント

この度は素晴らしい賞にご選出頂き誠に有難うございます。決して難しい分析ではありませんが、真摯にデータと向き合った結果を評価していただけたこと大変うれしく思います。今後もこの名誉に恥じぬよう、さらに精進してまいります。

First Prize

優秀賞

  • 「購買行動の変容段階を考慮した 消費者情報処理モデルの構築: ~認知的消費者と感情的消費者~」

    筑波大学 システム情報工学研究科社会システム工学専攻 博士前期課程1年 中野 暁

審査員コメント

各種分析方法を用いて初期状態、態度変容の大きさを取り上げELMの展開を試みた研究として評価できる。分かりやすくまとめており、完成度も高い。(阿部)

先行研究を踏まえた上で、著者独自の視点が盛り込まれた上で、研究が進められており、学術的貢献も高いと評価できる。二次データという限界に対して、工夫してデータをうまく活用している。(西尾)

受賞者のコメント

大変栄誉ある賞を頂き、有難うございます。貴重なデータを分析する機会を頂き感謝しています。研究中は近藤文代先生に御助言を頂きながら、試行錯誤を続けてきました。ELMを実務に応用できるよう、今後も精進を続けていきます。

Second Prize

佳作

  • 「女性の消費行動要因を探る」

    青山学院大学 社会情報学部 4年 田中 咲季

審査員コメント

女性の価値観、職業、家族構成によって消費行動の違いをみるという視点が面白い。分析結果も納得性があり、興味深い。(守口)

単純だが女性の行動を深く調べ上げており、記述統計としては非常に優れている。最新の分析手法でなくとも、分かりやすく丁寧にまとめている点が評価できる(清水)

受賞者のコメント

この度は、この様な素晴らしい賞に選出いただき、誠にありがとうございます。驚くとともに、心より嬉しく思っております。

最終候補作品

  • 「消費者行動と医療」

    福岡大学 商学部 准教授 太宰 潮

  • 「消費者の個人属性やメディア接触を考慮した購買予測モデルの構築 ―オランジーナを例としてー」

    名古屋大学 情報文化学部 4年 森山 尚樹

  • 「メディアミックスを考慮した広告効果モデル」

    専修大学大学院 商学研究科 2年 鈴木 元也

  • 「CM異質性と消費者異質性の組み合わせに着目した広告効果の検証について」

    同志社大学 文化情報学部 4年 矢倉 和雄

  • 「消費者の行動属性に応じたCM戦略 ~Big Dataへの応用を踏まえて~」

    東京大学 公共政策大学院 三好 雄也

  • 「企業のためのTVCM量の調整」

    慶応義塾大学 経済学部 2年 高橋 佑太朗

  • 「オタクの研究」

    福岡大学 商学部 4年 垰野 瑛人

  • 「考慮集合構造とその変容を捉える新たな視」

    慶應義塾大学大学院 商学研究科 博士課程1年 赤松 直樹

  • 「消費価値観と惰性的選択行動の関係性の調査」

    東京都市大学 知識工学部 4年 澤田 尚宜

  • 「口コミマーケティングを成功させるには -“教えたがり”の特徴分析-」

    北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 1年 川崎 隆史

  • 「なにを求めるのか○○系女子達よ!」

    甲南女子大学 人間科学部心理学科 3年 藤原 幸菜

  • 「ネット利用状況別における消費者異質性を考慮した広告分析」

    京都大学 経営管理教育部 2回生 吉木 悠祐

  • 「新商品のテレビCMが新規顧客・リピーターに与える影響」

    株式会社マイクロアド システム開発部 フェロー 青井 順一

  • 「財布のひもを緩める広告・商品」

    立教大学 経営学部 3年 山口 修平

  • 「消費者情報感度の違いによる購買への影響の研究」

    慶應義塾大学 経済学部 通信課程 赤路 雄一

  • 「SNSと口コミの関係性分析」

    京都大学大学院 経営管理教育部 星崎 友祐

  • 「テレビ番組CMが商品の購買および認知に与える影響に関する段階的考察」

    株式会社ビデオプロモーション 制作本部 マーケティングディレクター 土屋 智裕

  • 「Cross×Cross」

    甲南女子大学 人間科学部心理学科 3回生 岡 亜衣美