2016年1月26日

中小企業の経営者に見られていた「下町ロケット」

2015年で最も話題になったドラマといえば「下町ロケット」でしょう。野村総合研究所のシングルソースデータから、このドラマの視聴者の特性を分析してみましょう。今回は職業別の視聴状況の違いについて集計をしています。

比較のために、同じ放送局、同じ時間帯で放送されて、2013年に最も話題になったドラマである「半沢直樹」の視聴者の特性もあわせて整理しました。

シングルソースデータでは、同一人物に対して、毎日のテレビ番組の視聴状況を調査しています。約2ヶ月間の調査期間があり、「下町ロケット」は8回放送があり、「半沢直樹」は7回の放送があり、今回は4回以上視聴した人の割合を集計しています。なお、視聴状況には、録画して視聴した場合も含まれています。

「下町ロケット」は中小企業の経営者、「半沢直樹」は大企業の社員

番組の視聴率としては「半沢直樹」の方が高かったため、職業別にみても「半沢直樹」の方が全体的に高くなっています。

その中で「下町ロケット」を視聴している人の特性としては、「中小企業の経営者」や「家族従業者」が高くなっていることがわかります。「下町ロケット」の題材となっている町工場を経営している人たちで高い共感を得ていたことがわかります。ドラマの中に登場した佃製作所の逆転劇にすっきりした人も多かったのではないでしょうか。

一方、大手銀行の課長が主役だった「半沢直樹」の場合は、大きな企業の「課長クラス」や「平社員」で視聴していた割合が高くなっています。また、主役の半沢直樹を支える妻も話題になりました。そのため「専業主婦」における視聴割合が高いことも特徴的です。

このように、一般の仕事を題材にしたドラマの場合は、登場人物の境遇に近い人で視聴されている割合が高いようです。2016年にはどのようなドラマが話題になるのか、今から楽しみですね。

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出典)野村総合研究所 2015年11-12月期シングルソースデータ(関東エリア:男女20-59歳:N=2,445)、2013年7-9月期シングルソースデータ(関東エリア:男女20-59歳:N=2,448)(塩崎 潤一)