2017年6月30日

関東の消費者は値下げでレゴランド・ジャパンに行くのか?

 2017年4月に、ブロック玩具「レゴ」をテーマにした屋外型レジャー施設「レゴランド・ジャパン」が愛知県名古屋市にオープンしました。関東の消費者は、レゴランド・ジャパンにどの程度行ったことがある、あるいは知っているのでしょうか。

レゴランド・ジャパンに行ったことがある関東の消費者は1.3%

 4月1日のオープンから、2ヶ月経過した2017年6月頭に関東に住む消費者(18-69歳、N=2,655)に聴取したところ、レゴランド・ジャパンに行ったことがある人は、まだ、1.3%となっています。一方、「知っている人」は8割を超えているところをみると、注目度は非常に高い、といえるでしょう。

 しかしながら、「行きたいとは思わない」が約6割に達しています。今後、集客するためには、どのような手法が考えられるのでしょうか。

テーマパーク・レジャー施設の利用経験・認知度

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳:2017年6月3日調査 N=2,655)

家族向け「ファミリー1DAYパスポート」は、関東地方の消費者を呼び寄せるか

 レゴランド・ジャパンは、2017年5月25日から、家族向けの割引サービスとして、「ファミリー1DAYパスポート」の販売を始めました。この施策は、関東の消費者を呼び寄せる効果はあるのでしょうか。

レゴランド・ジャパンに行かない理由(レゴランド・ジャパンに行ったことがない人N=2,630)

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳:2017年6月3日調査 N=2,620)

 レゴランドに行かない理由を、「消費者全体」と「小学生以下の子供のいる家庭(以下、「児童がいる」)に分けて分析してみます。愛知県名古屋市ですので、当然「場所が遠い」が一番に挙げられますが、これは距離的な問題ですので、致し方ない理由です。

 注目したいのは、次の「価格が高いから」という理由で、こちらは消費者全体(26%)よりも、児童がいる家族(38%)のほうが高くなっています。やはり家族みんなで訪問するには、価格は大事な要素になってしまうようです。

 そう考えると、今回の「ファミリー1DAYパスポート」は理にかなったキャンペーンといえるかもしれませんが、次にはどんな施策を打ってくるのでしょうか。

 海外のテーマパークを輸入した、東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンも、開園当初は多くの批判が寄せられました。そんな中、日本独自の"おもてなし"の要素を加えることで、今では国内屈指の集客力を誇っています。

 レゴランド・ジャパンでは、来年にも、公式ホテルや水族館がオープンするなど、インフラ面では整備が着々と進んでいます。今後は如何にソフト面を充実させるかが、大きなポイントになってくるといえるのではないでしょうか。(野村総合研究所 消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 栗原 一馬)