2017年7月 3日

値上げによりビールの消費は減少するのか?

 2017年6月、私たちの生活に密着しているいくつかの商品やサービスが値上げされます。その認知度や影響はどの程度なのでしょうか。

値上げの認知度は普通はがきが72.3%と最も高く、次いで、ビールの56.9%

 関東エリア在住の消費者(18-69歳、N=2,577)に聴取したところ、普通はがきの値上げ(52円→62円)の認知度が最も高く、72.3%でした。

 普通はがきに次いで、ビール類(大手量販店で買う場合)が56.9%、バターが41.0%と高くなっています。

2017年6月に値上げされる商品・サービスの認知度

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳:2017年6月10日調査 N=2,577)

値上げでも、60.9%はビール類を買う量が「変わらないと思う」

報道では、大手量販店におけるビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル(第3のビール))の値上げが大きく取り上げられていました。実際、値上げによる影響はどの程度あるのでしょうか。

値上げによる消費行動への影響:ビール類(大手量販店で買う場合)

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳:2017年6月10日調査 N=1,813 ※元々ビール類を買わない方を除く)

 「まったく買わなくなる+買う量を減らす+やや控える」割合が4割弱いるものの、60.9%は「買う量は変わらないと思う」と答えています。

 この割合は、他の商品・サービスと比べて高いのでしょうか、低いのでしょうか。

値上げによる消費行動への影響(商品・サービス別)

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女18-69歳:2017年6月10日調査 ※N数はグラフ中に記載(各商品・サービスを元々買わない(使わない)方を除く)

※買い控える=まったく買わなくなる(使わなくなる)と思う+買う量(使う量)を減らすと思う+買う量(使う量)をやや控えると思う

 ここで取り上げた6商品・サービスの中では、確かにビール類(大手量販店で買う場合)を「買い控える」割合が最も高くなっています。しかし、差はわずかであり、報道されているほど、ビール類だけが特別というわけではないようです。

これからビールが美味しい時期本番ということになりますから、年末に売上結果を振り返ってみると、「あまり変わらなかった」ということになるかもしれませんね。

(野村総合研究所 消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 栗原 一馬)