2017年8月31日

非喫煙者にとっての電子タバコのイメージは?

フィリップモリス社のIQOS(アイコス)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社のglo(グロー)、日本タバコ産業(JT)社のPloom TECH(プルームテック)など、電子タバコ市場が拡大しつつあります。

電子タバコとは、紙巻きタバコのように火をつけてタバコ葉を燃やすのではなく、液体を電気で加熱して発生する蒸気を吸うタバコです。

電子タバコは、消費者にどの程度認知されているのでしょうか。

認知率はIQOS(アイコス)が圧倒的にリード

関東エリアの20歳以上2,448名を対象に調査したところ、IQOSを「知っている」(「使っている」、「知っているし、関心もあるが使っていない」、「知っているが、関心がない」の合算)と答えた方は5割を超えています。一方、Ploom TECHやgloを「知っている」方は2割に届いていません。

また、IQOSを「使っている」方は5.4%で、Ploom TECHの1.8%やgloの1.0%と比べて高くなっています。

認知率、利用率ともに、IQOSが他商品を一歩リードしているようです。

電子タバコの認知・利用状況

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女20-69歳:2017年6月17日調査 N=2,448)

非喫煙者におけるIQOSの認知率は44%

次に、喫煙者と非喫煙者における認知率の違いを見てみましょう。

喫煙者・非喫煙者別の電子タバコの認知率

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女20-69歳:2017年6月17日調査 N=2,448)

IQOSは、非喫煙者においても44%が「知っている」と答えています。非喫煙者にとっても、IQOSを始めとする電子タバコが注目されていることの表れではないでしょうか。

電子タバコのイメージは「火災減少」「受動喫煙被害減少」「従来のタバコよりも体に良さそう」だが、そう思っているのは喫煙者のみ

非喫煙者の認知率も一定の高さに達している電子タバコについて、消費者はどのようなイメージを持っているのでしょうか。喫煙者・非喫煙者別に見てみましょう。

喫煙者・非喫煙者別の電子タバコに対するイメージ(複数回答 喫煙者のスコア降順)

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まず、喫煙者の持っているイメージの上位は「タバコが原因の火災が少なくなりそう(34.7%)」、「従来の紙巻きタバコなどよりも受動喫煙被害が少なそう(34.2%)」、「従来の紙巻きタバコなどよりも健康によさそう(23.8%)」の3点です。

しかし、非喫煙者にとってそれらのイメージは喫煙者ほど高くありません(それぞれ17.8%/20.9%/12.4%)。タバコを吸わない人にとっては、現段階では実感しにくいイメージなのでしょう。

一方で、「タバコのポイ捨てがなくなって街がきれいになりそう」、「禁煙効果がありそう」というイメージは、喫煙者と非喫煙者の差が小さくなっています。タバコを吸わない人にとっても実感しやすいイメージなのでしょう。

いずれにしろ、日本において電子タバコは誕生したばかりの新たな市場です。非喫煙者である筆者も、今後の動向に注目していきたいと思います。

(野村総合研究所 消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 栗原 一馬)