2017年10月10日

「Hey, Siri! スマートスピーカーって何?」~音声操作は日本で浸透するのか~

「Hey, Siri」や「OK, Google」と、スマートフォンに話しかけてみたことはありますか。

CMでは声でスマホを自在に操る様子が流れていますが、日本の街中では、このように音声操作を利用している人はあまり見かけないかもしれませんね。一方米国では、10代の若者の50%以上がGoogle音声検索を毎日使っているという調査結果を米Google社が2014年に公表しています。Amazon社のEcho、LINE社のWAVEといったスマートスピーカーの登場も相まって、最近再び注目を集めつつある「音声操作」について調べてみました。やはり日本においても、スマートフォンを様々なシーンで使いこなす若者たちが音声操作を積極的に利用しているのでしょうか。

音声操作を利用しているのは若者だけではない

まず、関東在住の20~69歳を対象に調査を行った結果、「音声操作をしたことがある」人は53.1%でした。過半数の人が音声でスマートフォンを操作してみた経験があるようです。

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女20-69歳 N=2,196)

ではどのくらいの頻度で、スマートフォン・タブレットの音声操作は利用されているのでしょうか。

スマートフォン・タブレットでの音声操作の利用頻度

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女20-69歳:音声操作経験のある消費者 N=1,167)

毎日音声操作を利用する割合は20代が最も高いものの、週に1日以上利用する割合で見ると50代・60代の方が高く、音声操作の利用率に年代による大きな差はみられませんでした。

音声操作の利用用途はWeb検索が多い

次に、月に一回以上音声操作を利用する人を対象として、音声操作の用途について聞いてみました。

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女20-69歳:月一度以上音声操作を利用する消費者 N=626)

用途の上位としては「Web検索の検索ワード入力(44.9%)」、「地図やナビゲーションの目的地設定(37.5%)」、「電話の発信や留守番電話の確認(29.6%)」が挙がりました。一方で、「音楽の再生等の操作(11.0%)」についてはまだ利用している人が少ないという結果になりました。

日本でのスマートスピーカーの認知度はまだ低い

スマートフォンでの音楽再生に音声操作を利用する人は少ないようですが、家に置くスピーカーではどうなのでしょうか。話しかけるだけで好みの音楽を再生してくれ、スケジュールの確認や家電操作などもできる「スマートスピーカー」についても尋ねてみました。

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出典)野村総合研究所 シングルソースデータ(関東エリア 男女20-69歳 N=2,196)

米国では年間数百万台が売れているとも言われているスマートスピーカーですが、今回の調査では「スマートスピーカーについて知らなかった」という回答が67.3%を占めており、日本での認知度はまだまだ低いことがわかりました。今年はいくつかのメーカーが国内でスマートスピーカーを発売予定で、CMも見かけるようになってきました。今後スマートスピーカーは音楽の再生を行うだけでなく、家の中で様々な家電や情報機器とつながり、それらを音声で操作するハブとして機能するようになるといわれています。そのような世界が実際にやってきて、スマートスピーカーがより多くの家庭で利用されるようになれば、スマートフォンやタブレットでの音声操作ももっと身近になっていくのかもしれませんね。

(野村総合研究所 消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 瀬川晶子)